6月30日、猫ボランティアさんに子猫の目の様子がおかしいと、呼ばれ来てみると両目とも上下のまぶたが閉じ切った子猫がいました。
完全にまわりが見えておらず、母猫(雪ちゃん)の鳴き声を頼りに茂みの中を移動していました。
近くに来たところをさっと捕獲し、病院に連れていきました。
Contents
猫風邪が悪化

獣医さんが眼球を診察するために開けようとすると、眼球内の水分が水鉄砲のようにピューッと飛び出てきました。

眼球内の水分が出て、眼球はしぼんだようになるといわれました。
その光景を目の当たりにした自分も、すでに手遅れでこの子の失明を覚悟していました。
診断結果も両目とも失明の可能性が高いとのことでした。
「生まれて2ヶ月にも満たないこの子はもう二度と景色を見渡すこと、親兄弟の姿をみることができない。そう考えると言葉にできない悲しみがわいてきました」
処方は点眼薬と抗生剤。定期的な通院です。
自分のマンションはペット禁止。この子を保護して定期的に治療できる人を探さないといけません。
また母猫の元に帰してしまうと茂みの奥から出てこなくなり、投薬と点眼ができないからです。
猫風邪は周りの猫にも伝染するようで、周りの人が保護できる状況ではなく、保護できる人が見つかるまでキャリーに入れて茂みに置く方法をとりました。

Twitterで保護家探し
一連の状況を説明したツイートをしました。
多くの意見も頂きました
- 保護できない環境で無責任に治療するなんて。
- 自分勝手。
- 保護できないなら手を出すな。
- 治療だけして保護は丸投げなんてやめてください。
- 自然の摂理。手を出すな。
仰る通りでもあります。
治療すれば助かる命。この子を助けることができるならば、自分はどう言われても構わないので、気持ちを切り替えて保護家探しを始めました。
深夜の保護家探し
深夜だったにも関わらず、5人の方に反応をいただけました。
同じ関西圏、大阪市内の方も居られて、話を進めていこうとしているうちに、DMに新たな通知が入りました。
ねこの保育園様からのDM
枚方市で猫ボランティアをされている「ねこの保育園」様。
とても気になり、過去のツイート、ブログ、インスタ等を調べると、多くの子猫たちを受け入れ、里親様の元に譲渡する保護猫活動をされていることがわかりました。
「同じ猫風邪の子も世話しているので、一緒に面倒を見られます」とメッセージを寄せられ、この方に任せようと思いました。
深夜の移動
ねこの保育園様からDMが届いたのが23時過ぎ。
子猫を翌朝まで外に置かざるを得ない子猫のことを気にかけてくださり、「今からでも連れてきてもらうことはできますか?」と。
深夜3時頃までは仔猫のお世話で起きてるということで、すぐに「行けます!」と返信して茂みにいる子猫を迎えに行き、タクシーで枚方市へ向かいました。
この時すでに0時を回っていました。
ねこの保育園に到着
1時過ぎに到着しました。
子猫もあまり鳴かなくて食欲もありませんでした。
診察内容と処方された薬を渡した時に、薬の配合、成分を聞かれました。
後日、薬の成分表を確認して送りました。
過去に病気の子猫も大勢引き受けて治療して、里親に譲渡してきたんだろうと瞬時に感じ取りました。
普段タクシーに乗ることが無く、うっかりタクシーを行きで帰してしまい、最寄りの駅まで車で送っていただけました。とても親切なご家族という印象でした。
保護当日の様子

保護していただいた当初は目は閉じていて、目を開けた写真が送られてきました。

目は開いたものの、痛々しいのがわかります。
ここからまさか視力が回復してくるなんて夢にも思わなかったです。
インターフェロン注射

2週間ほど経過してもなかなか目が良くならないとのことで、注射のため病院へ通うことになりました。
多くの子猫たちのお世話で寝る時間もないのに、定期的にこの子の状況を知らせてくれます。ありがとうございます。
インターフェロン注射4日目

注射が効いてきたのか、何とか目が開いてきました。
腫れも引いて、充血も治まってきてるようです。
このころに保護主様がこの子に名前を付けてくださいました。
ファーちゃん

ファビュラスのファーちゃんです。
ファビュラスの意味は【信じがたいほどのとても素晴らしい】という褒め言葉として使われています。
ファーちゃんは信じがたいほどのとても素晴らしい回復力で視力が回復しました!
命名のセンスがファビュラスです。
素敵なお名前も決まってあとは順調に回復しますように!
僕も継続して「アマゾンほしいものリスト」から物資の支援をしています。
3週間目

お友達とおねんね♪
毎日の注射も嫌がらずに日に日に良くなってくれているとの投稿にうれしく思います。
目の白濁は残るそうなものの、自力で治りそうと先生からのお墨付きもいただいたそうです。
翌日からは間隔をあけてからの注射のようです。
お水ごくごく
この日はなんと自分から給水ボトルから飲んでくれたそうです。
となりの子と仲良く遊ぶシーンも!
毎日の懸命なお世話により、失明宣告された1匹の子猫さんが視力を取り戻し、幸せな猫生を送ることが叶いそうです。
8月22日近況
他の猫ちゃんと仲良く暮らしているみたいで安心しています。
奥にいるのがファーちゃん。
きれいなお目目に回復していますね。
手前のちっちちゃんとも仲良しそうですね。
次の状況連絡を楽しみにお待ちしています。
2020.8.28
診察後すぐに入院させればよかったのですが、それすらもわからないくらいに気が動転していました。
反省しています。ごめんなさい。